文明開化の時代の息遣いを今に伝える レトロな煉瓦建築/おおず赤煉瓦館

明治時代、木蝋や製糸の製造、肱川を活用した流通の拠点として栄えた大洲市。当時の繁栄を今に伝えるのが、1901年(明治34年)に大洲商業銀行本店として建築された「おおず赤煉瓦館」です。時の流れとともに、大洲商工会事務所などに役割を変え、現在は観光拠点として親しまれています。ショッピングやカフェタイムを楽しむだけではなく、120年以上前の建造物には見どころが多く、またレトロな佇まいもフォトジェニックと人気です。

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外観で注目したいのは、建物全体は煉瓦建築でありながら、屋根には和瓦を敷いている点。西洋の文化と日本の文化が交錯した和洋折衷の建築様式からは、文明開化の時代の息遣いを感じることができます。この「おおず赤煉瓦館」は本館と別館の2棟の建物で構成されており、2棟の間には中庭が設けられています。中庭では木々の間からこぼれる陽光、吹き抜ける風を感じながら、ゆっくりと流れる時間を楽しむのも心地よいものです。

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全国的にも珍しい2種類の積み方が採用された外周部

建物には、建築当時に西洋から伝わった様式が色濃く残されています。主には長手だけの段、小口だけの段を1段おきに積んだ「イギリス積み」が採用されています。ところが外周の一部には同じ段に長手と小口を交互に積んだ「フランス積み」を見ることができます。この2つの方式を混在させた建物は全国的にも珍しいそうなので、建築ファンならずともチェックしておきたいですね。また所々に強度の高い「焼きすぎ煉瓦」も見られます。

伝統に吹く新しい風 美しさを競い合う産品をショッピング

本館1階は、大洲市や愛媛県内のよいものを集めたショップです。かつて大洲藩の財源を支えた大洲和紙は、明治期には400以上もの紙漉き従事者がいました。今では3軒を残すのみとなっていますが、そのうちの1軒では伝統の手漉き和紙に西洋の箔置きの技法を取り入れたギルディング和紙を製造しています。このプロダクトは、海外でも人気が高いそう。ポストカードや封筒などの小物類は、手頃なお土産としておすすめです。

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「用の美」を体現する砥部焼 人気の窯元の作品が充実

和紙と同じく大洲藩の特産品であった砥部焼は、約10窯元の作品が揃っています。スタッフの中野由紀さんのおすすめは、マリメッコのデザイナーとして活躍した石本藤雄さんがデザインしたMustakivi(ムスタキビ)。北欧のヒュッゲな空気をまとった逸品として多くのファンを獲得しています。このほか、「NIPPONIA HOTEL大洲城下町」のおもてなしに使われているヨシュア工房の作品は、宿泊者が買い求めに来られることもあるそうです。

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繭を活用したさまざまなプロダクトにも要注目

かつて大洲市は、養蚕業も盛んでした。1887年(明治20年)に創業した瀧本養蚕では、現在、若い五代目が「おおず繭」として、養蚕に取り組んでいます。一般に生糸となる繭ですが、シルクから抽出した成分をシャンプーなどの化粧品へと加工もしているそう。またアクセサリー作家とのコラボにより生まれたオオズワンプロダクツ「Silk series」は、繊細なやさしさを感じさせるアクセサリー。赤煉瓦館限定の商品はぜひチェックしたいですね。

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旅の途中の小休止は、中庭を望む優美な雰囲気のカフェで

本館2階はカフェがあり、アンティーク雑貨に囲まれた優美な空間で一息つくことができます。一年を通してドリンクの提供があり、Mustakiviのカップでいただくコーヒーは美味しさもひとしお。また6月〜9月(変更の場合あり)限定で、「甘味霧中(かんみむちゅう)」のかき氷も提供しています。大洲の生産者から直接仕入れた果物で仕込んだシロップを贅沢にかけており、フルーツ本来の甘みや酸味を余すところなく味わい尽くせると評判です。

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《店舗情報》
■住所:〒795-0012 愛媛県大洲市大洲60
■電話番号:0893-24-1581
■営業時間:9:00〜17:00
■定休日:無休
■SNS:https://www.facebook.com/おおず赤煉瓦館-533527900006820/

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